危険と隣り合わせ

人はどうして危険なことに挑戦するのか。
どうして生と死の崖っぷちに立とうとするのか。
という答えが見つかりました。

こんなことをなぜ言うかというと
数年前には、ワンゲルの後輩が西表島
遭難して行方不明で帰らぬ人となり、
みんなで、危険な生き方というのはどういうことなんだろう?
と話し合ったことがあったんです。
社会的にはみんなに迷惑をかけていけないことだと感じますが
僕は、心の中では全面的に行方不明になった後輩を支持していたんです。

生物の進化を見ていくと
驚くことに、生き物が劇的に進化する時というのは
極度の温暖化や氷河期、酸素の欠乏など
生物の多くが危機に瀕したり、絶滅寸前まで追い込まれる時なんだそうです。

たとえば、最初に手足が生えてきた魚はアカンソステガ
というのですが、
大陸の衝突によって湿地や川が生まれたとき、
その枝などの障害物が多くある湿地でも泳げるように
手足ができたそうです。
本来、魚は海にいるものですが
海では大型魚(板皮類)が繁栄しており、
もし海にいたら食べられて絶滅する恐れがあったようです。
http://www.nhk.or.jp/daishinka/program03.html

生物の進化の前にいつも死が立ちはだかっているように
人間が成長していくには死(危機)を乗り越えていく必要があるのではないでしょうか。

人は心の奥底に、もっと成長したい、良くなりたい
という情動があって、
それは46億年続く生き物(DNA)の絶え間ぬ思いなんでしょう。
その思いに忠実な人間の中には
死に近づいた行き方をする人が少なからず出てくる。
それは個人(または社会)の観点で見ると
無鉄砲で生をもてあそんでいるように見えるかもしれませんが
もっと長期的な視野で見れば
人類の進化(成長)に貢献できる生き方といえるのではないでしょうか。

人が崖っぷちに追いつめられているときほど
生きている実感を持てるはそのためなのでしょう。